界隈のLandscape 118
6月の上尾宿に続く中山道歩き旅で、今回は隣の桶川宿を目指す。
上尾駅から歩き始めた。
上尾市上町一丁目、図書館西交差点の路傍に石塔が建っている。
右手で剣、左手でむんずとショケラの髪を掴んでいる6臂の青面金剛である。
邪鬼も三猿もユーモラスである。米が供えられている。左下に見えるグリーンはコキアだろう。延享年間の作。
青面金剛の先にある蕎麦店である。右に「日本刀承ります」とある。日本刀も売る蕎麦店であったようだ。蕎麦ファンの間では名の知られた蕎麦店だったようだが、昨年8月末に営業を終えている。
上町二丁目、緑丘地下横断道交差点の路傍に彩の国平成の道標と中山道上尾宿に関する説明板がある。説明板の屋根の上には鍾馗像が載っている。この説明板によると屋根の上の鍾馗様は疫病神を追い払うという。
これは上尾市仲町の呉服店で見かけた鍾馗像である。
緑丘三丁目、久保西交差点近くの路傍に木々が茂った一画がある。
手前はイタリア料理店で、その奥に板塀が続く屋敷がある。
中を窺うことはできないが、板塀越しに大きな屋根が見える。紅花の仲買で財を成した須田家の屋敷である。この辺り一帯では1700年代の終わり頃から紅花の生産が盛んになり、高品質の「桶川臙脂」を産したという。
上、町谷の路傍に奇妙な形をした樹木がある。近づいて見ると公孫樹であった。枝が切り落とされ電信柱のようになってしまっている。このような姿にするのであれば、植えるべきではなかったとも思う。
いよいよ桶川市との境である。
市境の近くに庚申塔が祀られている。かつての村境に建てられたものだろう。明和年間の造立である。
桶川市に入ると、路傍に桶川宿の案内板が建っている。街歩きが楽になる分かりやすい地図である。
桶川市東二丁目のクリーニング店の店先に路傍祠がある。
祠内には地蔵尊が祀られている。地蔵尊に旅の安全をお祈りして、桶川宿の歩き旅を続けた。
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界隈のLandscape 117
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界隈のLandscape 116
新宿から金町関所跡まで葛飾区内の水戸街道の旧道を歩いた。
葛飾区新宿を訪ねるのは2021年8月29日号以来である。新宿四丁目から旧街道は金町方向へ延びている。旧街道の先に見えるのは金町駅前のタワマンである。
新金線を渡る踏切は浜街道踏切である。明治時代、水戸街道は宮城県岩沼市までが「陸前浜街道」と呼ばれていた。踏切を越えるこの道が水戸街道であったことを今に伝えている。
金町五丁目の路傍に古アパートがある。奥のシャッターの下りた店舗は中華料理店、手前はクリーニング店である。八角形の窓が二つ付いた店舗はスナックだったのではないか。いつ頃まで営業していたのだろう。
外階段のペンキの剥がれ具合が味わい深い。
近くのコンビニの店先にあったオロナミンCの看板である。テレビCMでは「うれしいとメガネが落ちるんです」というフレーズが流れていた。
ここで旧街道は国道6号と合流する。
合流して程なく京成金町線の踏切がある。踏切から京成金町駅に停車している4両編成の3500形が見えた。
金町六丁目の金町広小路を過ぎると現国道は右へ曲がっていく。
左側の旧国道を進むと常磐線のガードがある。
第一浜街道ガードである。
近くのバス停の名は「金町ガード脇」である。国道を跨ぐガードは地域のシンボル的存在なのかもしれない。
東金町6丁目で旧街道は旧国道から右へ逸れる。分岐点に道標が建っている。
側面に「金蓮院」と刻されている。
旧国道の向こうには金蓮院の山門が見えた。
金町関所跡を目指す歩き旅は次号へ続く。
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地蔵尊のLandscape 72
川嶋地蔵尊から東に川島商店街が延びている。中程、弥生町三丁目の路傍に松島市場がある。
地域の食生活を支え続ける懐かしいマーケットである。
商店街を抜けると、弥生一丁目の三叉路に向台子育地蔵尊が祀られている。
堂宇の前には国旗掲揚塔がある。昭和4年に地元町会が建てたものである。
毛糸の帽子が大きく、地蔵尊の顔は良く見えない。寛政八年に念仏講が造立したものである。
地蔵尊の周りには千羽鶴が沢山納められ、今も地元の方々に大切にされている。
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界隈のLandscape 115
8月3日号に続く水戸街道の歩き旅である。
牛久市中根町の路傍のお宅である。水色のトタン屋根の重なりが面白い。
軒下に明治ゴールド牛乳のベンチが見えた。
ひたち野西二丁目、牛久跨道橋から見た学園西大通である。トンネルの上は「ひたち野うしく駅」である。丁度、特急ひたちが通過しているところである。ひたち野うしく駅は、1985年に開催された国際科学技術博覧会(科学万博)の臨時駅・万博中央駅の跡地に、1998年に開業した駅である。
ひたち野西三丁目の路傍、理髪店の店先に「冷やしシャンプー」の幟が建っている。冷やしシャンプーは山形の専売特許だと思っていたが、猛暑日が各地で連続して記録されるようになり全国展開するようになったのだろうか。
冷やしシャンプーを通過して北上を続けると、土浦市との市境に一里塚が現れた。
国道の向いにも一里塚がある。向いにある一里塚は牛久市にあって、牛久市の史跡の指定を受け「中根一里塚」と呼ばれている。手前の一里塚は「荒川沖の一里塚」で、土浦市の史跡となっている。街道の両側で対になって一里塚が残されているのは珍しい。2015年2月に報告した北区の西ヶ原一里塚、2015年6月の板橋区の志村一里塚以来である。
一里塚から600m程進むと、脇道の先に妙向寺の山門、本堂の大きな屋根が見える。
境内には手入れの行き届いた庭園がある。
荒川沖南区で旧街道は国道から右へ離れる。
荒川沖西二丁目の路傍に古い店舗がある。
軒下に琺瑯の電話番号票がある。この電話番号票の左の灰色の楕円もよく見ると「電話」の文字と数字「3」が読み取れる。これも電話番号票なのだ。
さらに進むと黒板塀に囲われたお宅がある。
荒川沖交番の手前に荒川沖天満宮がある。
社殿前の右手に石塔、石柱に囲まれた一画がある。
石柱に厳重に守られたこの石は何だろう。刻字は見えないようだが、力石か。
この風化が進んだ石像は?青面金剛だろうか。決め手が無い。もう少し荒川宿を歩く予定であったが、暑さに負けて常磐線の荒川沖駅へと向かい、帰途に着いた。
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水辺のLandscape 2
葛飾区にある都立水元公園でアサザの花が咲き始めたと聞いたので、少し早起きをして出かけた。
広大な水元公園の東部にある権八池である。池の左側の水辺を覆っているのがアサザである。以前はあちらこちらの沼や池に見られたアサザだが、今では権八池が数少ない自生地となっているという。この池の周りにはアサザを保護する柵が設置されており、7月2日から9月4日の間の午前9時から10時に限って公開されている。
花は黄色でキュウリの花に似ている。環境省レッドリスト2020では「準絶滅危惧」となっている。
黄色の五弁は、一日花で午前中に開き、午後には閉じてしまう。
アサザの次はオニバスである。
東京都の水産試験場の跡地にあるオニバス池である。池一面をオニバスの葉が覆っている。オニバスは都市化により一度絶滅したと見られていたが、水産試験場内で自生が確認され、昭和59年に東京都の天然記念物に指定されている。
葉を突き破り花が咲いている。
7月下旬頃~9月上旬頃まで、早朝に青紫色の可憐な花を咲かせるが、昼を過ぎると閉じ始める。
現地の職員が展示用のオニバスの葉を裏返して見せてくれた。裏面は暗紫色であった。この色と花の色は関係があるのだろうか。このオニバス池もアサザ同様開花期のみの公開である。
オニバス池の前にはハス池がある。
水産試験場跡地の池に淡いピンク色のハスの花が咲いている。
ハス池の中には2本の橋が架けられ、身近にハスを見ることができる。
端正な姿のハスの花を楽しむには、午前の早い時間に訪れるのが良いようだ。
東京都と埼玉県の境にある小合溜である。古利根川の一部で、吉宗の時代に整備された水害防止、灌漑用の用水池である。水面の右側は埼玉県の三郷公園である。
これは2015年8月16日の小合溜である。この頃はヒシが繁茂し、水面が見えない状態にあった。どうして急速にヒシが茂ったのか、人為的なものなのか、路傍学会の興味は尽きないが、水面を管理している葛飾区が除去に取り組み、2019年頃からヒシの繁茂は見られなくなった。
小合溜の水辺ではスイレンが白い花を咲かせ始めていた。
この後、ポプラ並木を通って広い水元公園内を散策し、帰途に着いた。
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界隈のLandscape 114
6月29日号の続きである。牛久宿から荒川沖宿を目指す。
常磐線牛久駅から歩き始める。水戸街道は牛久駅の西側を通っているが、東口に出て、少し寄り道をした。
東口の駅前広場にあるテラコッタは、牛久市がイタリアのグレーヴェ・イン・キアンティ市と友好都市となったことを記念して、地元の銀行が寄贈したものである。
寄り道したのはここを見るためである。牛久シャトー本館である。牛久シャトーは、 浅草・神谷バーの創業者である神谷伝兵衛が、1903年に「牛久醸造場」の名で創業したワイン醸造場である。
本館を通ると神谷伝兵衛記念館(旧発酵室)がある。
記念館内には醸造用の樽が並んでいる。園内にはワイン貯蔵庫を改造したレストランもある。本館、発酵室、貯蔵庫は国指定の重要文化財となっている。
牛久シャトーを後にして、水戸街道へ戻る途中に常磐線の踏切を越える。踏切の名前は「ぶどう園踏切」となっている。これは牛久シャトーに因むものだろう。
田宮町の路傍に薬師寺の山門がある。150mに及ぶ参道の並木は牛久市の天然記念物に指定されている。
水戸まで56㎞の標識がある所で旧街道は国道を逸れる。
旧街道を300m程進むと再び国道に合流し、猪子町の路傍には大師像、地蔵尊を祀った一角がある。
着物を召している地蔵尊である。
この地蔵尊の近くの脇道を入ると石造りの蔵がある。
この道を辿ると鹿島神社が鎮座している。
鳥居には、若柴宿の星宮神社で見かけた角樽のような形をした藁細工がぶら下がっていた。
参道に石塔が並んでいる。左端は廿三夜塔だろうか。
街道に戻り、小野川橋の手前で圏央道の下を通る。圏央道を4車線化する工事が進められている。
小野川を渡る。今年生まれたカルガモのファミリーが泳いでいた。
牛久市中根町である。荒川沖宿を目指して水戸街道を歩く旅はまだ続く。
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青面金剛のLandscape 391
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青面金剛のLandscape 390
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神社のLandscape 296
この後、パワースポットとして人気の清正井を訪ねた。
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